薬局リレーブログ スターエール調剤薬局編



こんにちは。スターエール調剤薬局です。神戸市垂水区にあります。
海側から1回山手に登った所に薬局は位置しています。
薬局の周囲を紹介する、という趣旨ですので薬局近辺のご紹介をすべきところですが、この時期の垂水と言えば、いかなごをおいて他はありません。
(薬局近辺には、隣の人間国宝さんに認定された美容室マスターがいたり、超有名人も来店したというコーヒーショップの名物マスターがいたり、新しくたこ焼き屋さんができたり、インド人のカレーの店がオープンしたりと話題には事欠かないのですが、また今度)
ですので、今回はいかなごについてご紹介します。

いかなごをみなさんご存知でしょうか?
成長すると20cm程にもなるというイカナゴ科の魚です。

(大きくなるとこうなるそうです見たことないですが、ウイキペディアより)
その稚魚を醤油や砂糖、みりん等で甘辛く煮た、
いかなごのクギ煮というのが郷土料理の一つとして愛されています。
佃煮の一種で、炊きあがったいかなごが、茶色く曲がっていて、それが錆びた釘に似ていることからクギ煮と呼ばれるようになったそうです。毎年、いかなご漁の解禁日を過ぎると魚屋さんには連日稚魚を買い求めるお客さんの長い列ができます。
  

解禁初日の朝9時頃です。雨にもかかわらず、沢山の人が並んでいました。テレビの取材も来ていました。


どこのスーパーにもいかなごのクギ煮を作る材料の醤油、砂糖、みりん、それから鍋、作ったクギ煮を詰めるタッパー、おすそ分け用の使い捨ての容器等の関連用品のコーナーができます。
郵便局や宅配便営業所も、いかなごのクギ煮を地方へ送る用の箱がこの時期だけ置かれ、ここからいかなごが発送できますよ!と知らせるのぼりが立ちます。
また、垂水駅前の広場ではいかなご祭りが開かれたり(今年は3月7日)、と垂水はいかなご全面押しとなります。


垂水区の広報紙の3月号1面です。


道を歩いていてもどこからともなくいかなごを炊くにおいがしてきて、そのにおいが終わっても、歩き進めるとまた違う家からにおってきて。別の家からもにおってきてそしてその合間にどこかの庭の梅の花の香りがして、ああ、もう春だなあと実感するのであります。
 
 
びっくりするのはその佃煮を作る量です。
10kgとか20kgとか炊く方も珍しくなく、40kg炊いたという話も聞いたことがあります(お店じゃないです、一般の方です)
そして、出来上がったそれを地方にいる友人や親戚に送るのです。
もちろん材料を買ったり、じっくり火をいれてぐつぐつ炊いたり、荷造りして送るので、時間もお金もかかります「いかなご貧乏」や「いかなご貯金(この時期の為に1年間コツコツ貯金)」という言葉もよく耳にします。でも、あげた先の人たちが喜んでくれるからやめられないと皆さん言われます。
 
各家庭では、その家の味があって、生姜や実山椒を入れたり、黄金糖を入れたり、クルミが入っていたりと様々です。いかなご自体も硬めに炊いたりやわらかめに炊いたりで食感も違っていていかなごのクギ煮と言ってもたっっっくさんの種類があります。
 

私はいかなごは炊きません。色々な方から頂いたり、お店で売ってあるクギ煮を買ってみたりして色んな味のいかなごのクギ煮を白いご飯にのせて、思いっきりほおばるのです。
これを読まれている方々にも
それぞれの地での春を感じる食べ物というものがあると思います。
スターエール調剤薬局がある垂水はいかなごのクギ煮や、
いかなごを買い求める人の列により春の訪れを感じさせられます。



次は、調剤薬局ファーマシー夙川の皆さん、よろしくお願いします。